2011年10月13日木曜日

授業後の教室にて…



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生徒: 先生、先週の授業で言ってたマーケティング・リサーチって、意味あるんですか?ヘンリー・フォードも「もし私が顧客に、彼らの望むものを聞いていたら、彼らはもっと速い馬が欲しいと答えていただろう。」って言ってますよ。

教授: それは「何が欲しいですか」って言う質問をした場合のことで、欲しいものを聞くことだけが調査ではないんじゃないかな。さっきの自動車の発明の例であれば、人が移動する時どういう手段を使っているか観察することもリサーチになる。

授業で紹介したHBRと言う雑誌に、イノベーションの4類型に関する特集があったのを読んだかな?

生徒: 読んでませーん。

教授: そうか…(読んでおけと言っただろう…)

イノベーションの4類型とは、
1. 破壊的イノベーション
2. 転換持続的イノベーション
3. コマーシャル・イノベーション
4. 持続的イノベーション

そのうち、先週話したような種類の調査はコマーシャル・イノベーションや持続的イノベーションを対象にしているものが多いと私は考える。

生徒: へー。

教授: それに対して、フォードが発明したT型フォードや、最近だとAppleのiPhoneなどは破壊的イノベーションに分類される。

そういった全く新しい何かを作る場合は、今消費者がどのようなものを使っていたり、役立ちそうな周辺技術には何があるかを調べることの方が重要になる。その中で既存製品の不満点や重視点を質問することもあるかもしれないが。

AppleがiPhoneを開発した際は、既存の製品やサービスの問題点を調べたり、加速度センサーのような技術を研究したんじゃないかな。

生徒: じゃあ、先週の消費者への質問を考える課題はやらなくていいですよね。質問じゃなくて、実際に街ゆく人を観察してきます!

教授: う…、珍しく質問にきたと思ったら、それが言いたかったんだろ!締め切りは明日だぞ、言い訳せずにやりなさい!

-完-

上記は全てフィクションです
参考: Harvard Business Review 2011年10月号

@fujiokat


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2011年3月31日木曜日

第11回JMRX勉強会: 消費者が変わればリサーチも変わる



Photo by dotbenjamin via flickr

【JMRX勉強会】
更新が滞っておりましたが、3月22日に開催されたJMRX勉強会に参加してきました。
参加された皆様、ありがとうございました。

今回のテーマは「次世代マーケティングリサーチ」。
同名の著書を出版された萩原雅之さんのご講演+3名のリサーチャーの方とのパネルディスカッションでした。



講演の内容などは岸川さんのみんなのMR.comでご紹介されていますので、書籍の感想と雑感を。

【消費者が変わればリサーチも変わる】
第一章のタイトルである「消費者が変わればリサーチも変わる」が大きなポイントだと思います。
消費者が変われば広告が変わるように、リサーチも変わる。
PESTなどの外部環境が変わればリサーチも変わる。

日本のマーケティングリサーチにおける変化の具体例として会場でも話題に挙がっていたのがネットリサーチ。
しかし郵送からネットというのは技術の変化であって、対象となる消費者との関係は旧来と同じAskingというお話でした。

その意味でListeningなどの次世代リサーチ手法は、
初めて消費者の変化に対応してリサーチが変わる瞬間になるのではと思いました。

その前提となる消費者の変化と次世代リサーチ手法が理解できる本書は、
マーケティングリサーチに携わる全ての方におすすめしたい一冊です。

(なお、Appendixにてこのblogをご紹介いただきました。萩原さん、ありがとうございます!)

@fujiokat


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